【No. 12 インターバル走の効果と正しいやり方|タイム短縮の秘訣(シニアランナー向け)】
【医療免責事項】
本記事の内容は、筆者個人の経験や一般的な情報に基づくものであり、医療行為や専門的な診断・治療の代わりとなるものではありません。体調に不安がある方や持病のある方は、自己判断で無理をせず、必ず医師などの専門家にご相談ください。
タイム短縮、特にサブ4やサブ3.5(No.4参照)といった目標を目指すランナーにとって、インターバル走は有効なトレーニング手法の一つです。苦しいトレーニングではありますが、その効果は無視できません。
特に私のようなシニアランナー(50代以上)は、若い頃と同じように取り組むと怪我のリスクが高まります。本記事では、インターバル走の科学的な効果と、加齢に伴う身体の変化を考慮した「安全かつ効果的」な正しい実践方法を徹底解説します。
1. インターバル走の「なぜ効くのか」科学的効果
インターバル走とは、速いペースのランニング(疾走区間)と、ジョグやウォーキング(休息区間)を交互に繰り返すトレーニングです。この「高強度・短時間」の負荷が、以下の2つの生理学的指標を劇的に向上させます。
1-1. 最大酸素摂取量(VO2max)の向上
VO2maxは、「全身の酸素を摂取し、利用できる最大能力」を示す指標であり、長距離ランナーのポテンシャルを測る上で最も重要な数値です(No.10参照)。
- インターバルの役割: 疾走区間では、心拍数が高い状態になることが多いとされています(個人差あり)。この高い心拍数を保った状態で運動を繰り返すことで、心臓が一度に送り出す血液量(一回拍出量)が増え、酸素を運搬・利用する能力が向上します。
- ジョグの役割: 休息区間を設けることで、VO2maxを高める高強度の運動時間を長く確保できます。休憩がなければすぐに疲れてしまい、トータルのトレーニング量が減ってしまいます。
1-2. 乳酸性閾値(LT値)の引き上げ
LT値(Lactate Threshold)とは、血液中の乳酸濃度が急激に上がり始める境目のペースです。このLT値を上げることができれば、より速いペースで、より長く走り続けることができるようになります。
インターバル走は、LT値を超える高強度の刺激を身体に与えることで、筋肉が乳酸をエネルギーとして再利用する能力を高め、LT値そのものを引き上げる効果があります。これは、フルマラソン後半の粘りや、目標ペースでの巡航能力に直結します。
1-3. フォームと効率の改善
速いペースで走ることで、自然とランニングのピッチが上がり、接地時間が短くなります。これにより、無駄なブレーキや疲労を溜めにくい効率的なフォーム(No.6参照)を身体に覚え込ませる効果があります。毎回同じジョグでは「変化」を感じにくいですが、インターバルではスピードの変化を通じてフォーム改善の意識が高まります。
2. シニアランナー(50代以上)が意識すべき正しいやり方
加齢に伴い、最大心拍数や筋力は低下し、疲労の溜まりやすさや回復力は低下します。これらを考慮し、安全性を最優先したアプローチが必要です。
※インターバル走は身体への負荷が高いため、特にシニアランナーは、 実施前に医師やスポーツ指導の専門家に相談することが推奨されます。
2-1. 【最重要】安全性重視のウォーミングアップとクールダウン
インターバル走は高負荷であるため、準備とケアが最も重要です。
- ウォーミングアップ: 必ず10〜15分の軽いジョグで全身の血流を良くした後、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)で股関節や肩甲骨などの関節を温め、可動域を広げましょう(No.7参照)。特に冬や気温が低い日は、体を十分温める時間が必要です。
- クールダウン: 終了後はすぐに止まらず、5〜10分間のゆるいジョグで心拍数を徐々に下げ、その後、静的ストレッチで筋肉を丁寧に緩めます。
2-2. 頻度と回復のマネジメント
シニアランナーにとって、インターバル走は「毎週必須」ではありません。回復が追いつかないと、逆に疲労が蓄積し、怪我や体調不良の原因になります。
- 頻度: 週に1回、多くても2週に3回を上限としましょう。私も基本、週に1回のインターバル走を意識しています。
- 疲労の確認: GPSウォッチのリカバリータイム機能(No.10参照)や、睡眠の質(No.7参照)をチェックし、慢性的なだるさや関節の痛みが出たら、迷わず休足日を増やしましょう。
2-3. 強度と量の具体的な設定方法
無理に速いタイムを目指すよりも、「最後までフォームを保てる質」を重視しましょう。
🔰 初心者シニアランナー向けインターバル走メニュー(例)
- 疾走区間: 200m〜400m
- 休息区間: 疾走区間と同じ距離のジョグ、または疾走時間と同じ時間のウォーキング
- 本数: 4〜6本(合計距離が2km以内になるように)
- ペース: 800m走の全力の8割程度のペース。疾走中に「これ以上は無理」と感じる一歩手前で止められるペースを意識します。
本数を増やすことよりも、各疾走区間のペースとフォームが安定しているかどうかが重要です。最後の1本を維持できなくなるようなら、設定がオーバーロードです。これはあくまでも一例ですので、自分の体力や経験に応じて調整してください。
※運動の強度や内容は年齢・体力・既往歴によって大きく異なります。 一般的な運動の考え方については、 厚生労働省 e-ヘルスネット(PDF) にて公開されている資料も併せて確認してください。
3. インターバル走を支える筋力維持とフォーム
インターバル走は、通常のジョグよりも脚や体幹に大きな衝撃と負荷を与えます。シニアランナーは、筋力低下を補うため、以下の点に特に意識を向ける必要があります。
3-1. 補助的な筋力トレーニングの併用
インターバル走で脚の回転力を上げるためには、臀部(お尻)と体幹(コア)の筋力が不可欠です。これらは加齢で衰えやすい部分です。
- おすすめの補助トレ: スクワット(自重または軽い負荷)、プランク、バードドッグなど。
- 頻度: 週に1回〜2回、インターバル走とは別の日に行うのが理想です。
3-2. 着地と重心移動の意識
速く走るときこそ、フォーム(No.6参照)への意識を高く持ちましょう。
- 着地: 接地時間が短くなるよう意識し、膝から下を前に出すのではなく、股関節から脚を振り出すイメージを持ちましょう。
- 姿勢: わずかに前傾姿勢を保ち、地面からの反発を効率よく推進力に繋げる意識が重要です。
まとめ:安全第一で「タイム短縮の壁」を破る
インターバル走は、ランニングの「停滞期」を打破し、フルマラソンの目標タイムを短縮するための効果的な手段の一つです。シニアランナーにとっては特に、心肺機能と筋力維持の両面でメリットが期待できます。
大切なのは、「安全第一」と「回復の確保」です。自分の体力と相談しながら、少しずつ、そして確実に負荷を高めていくことで、年齢に関係なく自己への挑戦を可能にし、ランニングの楽しさを更新し続けることができるでしょう。
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